群馬県の名湯・伊香保温泉から榛名山系のヤセオネ峠へと駆け上がる「上毛三山パノラマ街道」(県道渋川松井田線)は、距離9.0kmで獲得標高505mを誇る本格的な山岳ルートだ。かつての有料道路を前身とし、人気漫画『頭文字D』の舞台「秋名山」のモデルとなった聖地としても広く知られている。伊香保側から最高地点の標高1,174mへ向かう登り方向は、九十九折りのヘアピンカーブが幾重にも連続するものの、極端な勾配変化が少なくマイペースにペダルを回しやすいのが特徴だ。スタート前には石段街最上部の伊香保神社で安全を祈願したり、老舗の温泉まんじゅうやカフェでエネルギーを補給したりと、温泉地ならではの楽しみも充実している。集落を抜けて静寂な深い森へと入ると、木漏れ日の中を縫うようにワインディングが続き、純粋にライディングへと没頭できる。中腹の高根展望台やツツジの名所である長峰公園展望台に立ち寄れば、眼下に広がる伊香保の街並みや赤城山、遠く関東平野まで見渡す爽快なパノラマが登坂の疲れを癒してくれるだろう。新緑が輝く初夏から、山肌が鮮やかに染まる紅葉の秋まで、季節ごとに異なる表情を見せ、ライド後には名湯「黄金の湯」で疲労を癒せるのもこのルートならではの魅力だ。