群馬県安中市の旧中山道交差地点から軽井沢方面へと駆け上がる碓氷峠は、全長14.3kmで標高差約600mを登る国道18号旧道の名ワインディングルートです。大型車などがバイパスへ流れるため普段の交通量は少なく、深い森の静寂に包まれながらライドに没頭できます。最大の特徴は番号標識が設置された全184カ所のカーブと、平均約4%前後で推移する一定の勾配です。極端な激坂がなくカーブ番号を目安にペースを刻めるため、中級者のトレーニングはもちろん初めての本格ヒルクライムにも適しており、毎年10月下旬には「碓氷峠Mapleヒルクライム in 安中」の舞台にもなっています。
かつて中山道の要衝として知られた歴史情緒も大きな魅力で、麓の横川・坂本エリアには往時の面影を残す坂本宿や碓氷関所跡、赤レンガ造りが美しい旧丸山変電所、碓氷峠鉄道文化むらなどの見どころが点在しています。ライドの前後には、荻野屋で名物の「峠の釜めし」を味わったり、玉屋ドライブインの力餅や周辺のカフェで補給したりとグルメも充実しています。また、童謡「紅葉」の着想の地とされるほど秋の紅葉・黄葉が素晴らしいほか、春から初夏にかけては爽やかな新緑の木漏れ日の中で快適なクライムを楽しめます。
登り方向ではリズミカルにペダルを回せる一方、標高961mの峠上部から安中方面への下り方向では、見通しの効かないブラインドコーナーやヘアピンが連続するため、確実な減速と丁寧なバイクコントロールが求められます。横川周辺を過ぎると峠区間内に売店や自動販売機はなく、麓と山頂部では気温差も生じるため、登坂前の十分な水分補給とウィンドブレーカーの携行が欠かせません。