埼玉県本庄市と美里町の境に連なる林道陣見山線は、静寂な深い森と稜線からの大パノラマが交錯する全長11.9kmの山岳ワインディングルートです。戦国時代に武田軍が敵陣を見張ったことに由来する陣見山の尾根筋を辿り、埼玉県の「自転車みどころスポットを巡るルート100」にも選定されています。一般車の通行がほとんどない静かな樹林帯を縫うように登っていくと、最高地点(標高494m)付近の開けた斜面や野上展望所から、関東平野や上州・秩父連峰を一望する爽快な眺望が広がります。極端な激坂が少なくアップダウンを織り交ぜながら進むため、自分のペースでヒルクライムと尾根道ライドの醍醐味を満喫できます。
季節ごとの彩りも豊かで、特に6月から7月にかけては、中継地点の榎峠付近から続く「あじさいの小路」を中心に約6,000株もの紫陽花が咲き誇り、涼やかな木陰とともに梅雨時期ならではの華やかな景観を楽しめます。また、空気が澄み渡る冬場は木々の葉が落ちることで視界がさらに広がり、低山ながら抜群の遠望を拝めるのも魅力です。ルート周辺には東日本最古の農業用ダムである間瀬ダムや穏やかな水面の第一間瀬湖、日本三大さざえ堂の一つとして知られる成身院百体観音堂など歴史文化スポットが点在し、榎峠近くの天然湧水「ごっくん水」はサイクリストの水分補給処として親しまれています。
全線舗装されているものの、林道特有の狭い道幅やブラインドコーナーが連続し、路面には落ち葉や小枝、浮き砂利が点在するため、特に下り区間では丁寧な減速とライン取りが求められます。林道内には売店や自動販売機がないため、美里や児玉、長瀞など山麓の拠点で事前に補給を済ませてから挑みましょう。