静岡県浜松市の奥深くに位置する「二本杉峠」は、県道290号(水窪羽ヶ庄佐久間線)を通る距離約11.8km、獲得標高600m超の本格的な山岳ルートです。美しい杉や檜の針葉樹林に囲まれ、日本最大の断層である「中央構造線」が織りなす特異な地形を観察できるのが魅力です。古くから遠州と南信州を結ぶ交通の要衝として機能してきた歴史ある道であり、大自然の静寂に包まれながらペダリングに没頭できます。JR飯田線の駅を利用した輪行アクセスとも相性が良く、コース設定の自由度が高い点もサイクリストにとって嬉しいポイントです。
起点の集落から二本杉峠のピーク(標高584m)へ向かって登る場合、約7kmにわたる持続的なヒルクライムが続きます。深い森が夏でも涼をもたらしてくれますが、ペース配分には注意が必要です。一方、逆方向からピークを目指す場合は、約4kmで一気に標高を稼ぐ過酷な急勾配となり、より挑戦的なレイアウトとなります。どちらの方向から挑むにせよ、ピークを越えた後のダウンヒルは10%近い急勾配や車幅一台分の狭い区間が続くため、慎重なブレーキングとスピードコントロールが求められます。
交通量は極めて少ないものの、「険道」と呼ばれるほど路面が荒れている箇所があり、日陰には落ち葉や苔、経年劣化によるひび割れが散見されます。また、ブラインドコーナーの先に林業用の作業車両が停車していることもあるため、常に危険を予測した走行を心がけてください。なお、起点の集落を過ぎると自動販売機などの補給ポイントは一切ありません。飲料や補給食の事前準備を万全にして、このテクニカルで走り応えのある浜松の隠れた名コースに挑戦してみてください。