千葉県市川市から東京都葛飾区、埼玉県三郷市、松伏町を経て茨城県五霞町へと江戸川右岸を辿る、全長約55kmのロングフラットルートです。全線を通じて獲得標高は約50mと極めて平坦で、信号や車の通行に遮られることなく一定のペースで巡航できるため、初めてのロングライドからベテランのトレーニングまで幅広く親しまれています。市川から五霞方面へ北上する場合、序盤は雄大な川の流れと市街地が織りなす開放的な水辺空間からスタートし、三郷や松伏を越える頃には周囲の住宅街が遠のいて、見渡す限りの広大な田園風景と大きな空に包まれる爽快なロケーションへと移り変わります。
現在の江戸川の流路は、江戸時代初期の「利根川東遷事業」によって開削され、かつては北関東や東北と江戸を結ぶ重要な舟運路として栄えた歴史を持ちます。下流部の葛飾・市川エリアには今もその面影が色濃く残り、堤防直結の「矢切の渡し」では情緒あふれる伝統的な水辺の風情に触れることができます。すぐ近くの柴又帝釈天の参道で名物の草団子を味わったり、見事な日本庭園を擁する山本亭でお抹茶を楽しんだりと、下町情緒あふれる文化散策を組み込めるのもこのルートならではの魅力です。また、高台にある里見公園に立ち寄れば、バラ園とともにスカイツリーや富士山まで見渡すことができます。
季節ごとの彩りと充実した休憩スポットも走りの楽しみを広げてくれます。とくに春はさくら堤公園の桜に加え、三郷周辺から上流にかけて土手の両側を菜の花が埋め尽くし、香り立つ「黄色い絨毯」の中を駆け抜ける絶景ライドを満喫できます。沿道には柴又公園や、トイレ・サイクルラックが整った「みさとの風ひろば」などの休憩拠点が点在するほか、こだわりのコーヒーやパニーニ、竹林の中で味わうはちみつドリンクなど、サイクリストに人気のカフェも揃っており、グルメや小休止を挟みながら終始心地よいクルージングが楽しめます。