静岡県、愛知県、長野県の3県に跨り、天竜川の渓谷沿いを縫うように走る県道1号線は、圧倒的な自然と秘境感が魅力のロングライドコースです。獲得標高は2698mに達し、連続するアップダウンが中級者以上のサイクリストの挑戦心を掻き立てます。浜松市方面から豊根村や天龍村方面へ向かう場合と、その逆方向から走る場合とでは、同じ景色でも受ける印象が大きく変わり、適度な上りと爽快な下りの連続を自身の脚力に合わせて楽しむことができます。
昭和31年の佐久間ダム竣工に伴う水没補償の一環として誕生したこの道は、「日本一のミニ村」と呼ばれた旧富山村や中井侍といった秘境集落を繋いでいます。春には千本桜や新緑が山肌を彩り、秋には見事な紅葉が渓谷を染め上げます。夏場でも深い緑が日差しを遮るため比較的涼しく走れる区間が多く、四季折々の表情を見せてくれます。全体を通して交通量は極めて少なく、鳥のさえずりや川のせせらぎをBGMに、心ゆくまで自然との対話を満喫できる素晴らしい環境が整っています。
一方で、このルートはドライバーから「険道」と呼ばれるほど険しい側面も併せ持っています。落石や土砂崩れによる通行止めが頻発するため、出発前の道路状況確認は欠かせません。特に佐久間ダム周辺は狭く暗いトンネルが連続し、採石場へ向かうダンプトラックも通行するため、明るいフロントライトを複数装備し、安全第一で走行してください。また、平岡集落から佐久間までの長区間は商店などがなく補給が難しいため、十分な装備と飲料を持参して秘境の旅へ出発しましょう。