静岡県浜松市の山間部を貫き、天竜川の雄大な流れに寄り添うように走る約12.7kmのミドルコースです。このルートが通る国道152号は、古くから「塩の道」として信州と遠州を結び、火防の神を祀る秋葉神社への参詣路としても賑わった歴史ある秋葉街道です。ルート上には秋葉灯籠などの文化財も点在し、かつての旅人の往来に思いを馳せることができます。天竜川が長い年月をかけて削り出した圧巻のV字谷と、その険しい地形からは想像もつかないほど不思議な平坦な直線路が続く、ダイナミックなコントラストがサイクリストを魅了します。
秋葉取水口を起点として佐久間方面へと北上していくと、右手に穏やかな水面、左手に切り立った緑の山肌が広がる美しい景観が連続します。全体的に路面状況は良好で、交通量も極めて少ないため、静寂の中で自分のペースでペダルを回すことができるでしょう。季節の移ろいもこのルートの大きな魅力で、春には秋葉湖や佐久間ダム周辺で満開の桜が咲き誇り、秋には山々が鮮やかに色づく紅葉が澄み切った水面に鏡のように映り込みます。コース後半には緩やかな上り坂も現れ、適度な走りごたえを感じられる中級者向けのレイアウトとなっています。
素晴らしい自然を満喫できる一方で、山間部ならではの備えも欠かせません。起点から1.1km地点付近をはじめ、ルート上には視認性の低い暗いトンネルが存在するため、明るいフロントライトとテールライトの装備は必須です。また、道中はコンビニエンスストアなどの食料を補給できる施設がほとんどないため、事前の補給食準備を強くおすすめします。一部区間では道幅が狭く、車両のすれ違いが困難な場所や、大雨による通行規制が行われることもあるため、天候や道路情報を確認した上で、安全で充実した天竜のサイクリングをお楽しみください。