広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ「しまなみ海道」は、世界中のサイクリストが憧れる聖地です。瀬戸内海に浮かぶ美しい島々を7つの壮大な橋で結ぶこのルートは、日本で初めて海峡を横断できる自転車歩行者道として整備されました。路面には推奨ルートを示す「ブルーライン」が敷かれており、地図を確認せずとも迷うことなく安心して完走を目指せるのが大きな特徴です。
尾道市から今治市方面へ向かう場合、まずは渡船を利用して向島へ渡る情緒あるスタートから始まります。ルート全体を通して、穏やかな瀬戸内海の波音、斜面に広がる柑橘畑の香り、そして時間とともに移ろいゆく空と海の青さが、ペダルを漕ぐ疲れを癒やしてくれます。特に橋の上からのパノラマビューは圧巻で、まるで空を飛んでいるかのような爽快感を味わえるでしょう。ただし、島と橋をつなぐアプローチ部分は、海面から橋桁の高さまで登る必要があるため、必然的にアップダウンが繰り返されます。橋からの下り坂や、島内の入り組んだ道ではスピードが出やすいため、絶景に見とれすぎず、確実なブレーキ操作を心がけてください。
途中には、サイクリスト歓迎のカフェや宿泊施設「ONOMICHI U2」、自転車の神様を祀る大山祇神社など、文化や歴史に触れられる立ち寄りスポットも豊富です。春には桜並木や新緑、秋には快適な気候と実り豊かな風景が楽しめます。かつて村上海賊が活躍したこの海域で、風を感じながら島々を巡る旅は、きっと忘れられない思い出になるはずです。